弁護士に依頼するメリットとデメリット
弁護士に依頼をしていいのかわからない、弁護士に依頼をするべきか迷っている、そういったご相談を受けることがあります。
多くの方は弁護士に依頼をすることは人生に一回あるかないかの出来事であり、悩まれることは当然のことだと思います。
そこで、弁護士に依頼をすべきかどうか迷っている場合の判断材料にしていただくため、弁護士に依頼をするメリットとデメリットについてご説明いたします。
そして、デメリットよりもメリットのほうが大きいと感じられる場合には弁護士へ依頼することをお薦めいたします。
弁護士へ依頼するメリット
1 揉めないように解決(紛争の予防)をします。
当事者同士で話をしているとどうしても感情的になってしまい、話が前に進まないことがあります。
こちらが法的に正しいことを言っても、相手相続人の言うこととして信用してもらえないことがあります。
また、感情的になってしまい、法律を全く無視したような主張をされることもあります。これでは話は進むはずはなく、相続問題は当事者同士で話をしていては、大いに揉めてしまう可能性が高くなります。そんな時、弁護士が法律の専門家として「法律はこうなっていますよ」と冷静に話しをすることで、早期に問題解決へと導きます。
さらに、例えば特別受益の有無や金額が問題になっている場合には、どういった資料が必要であるか裁判までを見据えて、的確な資料収集を行い、それをもとに相手を説得することで早期に問題解決へと導きます。
弁護士は揉めてから依頼するべきと誤解をされがちですが、実際は揉めないようにするために弁護士を依頼するという紛争の予防に大きなメリットがあります。
2 相手と交渉する煩わしさから解放されます。
相続問題では感情的な対立から相手と話をすることに強いストレスを感じる方が多く見えます。また、親族だからこそ言いにくいこともあると感じられる方もいます。
弁護士に依頼をしていただければ、弁護士が交渉の窓口となります。それにより、相手と話をするストレスから解放されますし、弁護士が代理人として言いにくいこともきちんと代弁してくれます。
3 煩雑な手続の代行をいたします。
働いている方にとっては、平日に役所へ行って戸籍謄本を取ってくることは非常に煩雑ではないでしょうか。また、預金口座の取引履歴を取得するために金融機関へいくことも煩雑ではないでしょうか。相続手続においてはその他にも各種の書類を取得して、各機関へ提出することが多数必要になります。
移転登記をする場合には、司法書士との打合せ必要書類のやりとりも必要になります。
そういった煩雑な手続についても弁護士に依頼をしていただければすべて代行いたしますので、煩雑な手続について時間の節約になります。
4 交渉から裁判まで一貫して対応することができます。
相続手続では、税理士や司法書士といった他の士業も関与することが多くあります。しかし、税理士や司法書士は紛争性のある事項を扱うことができません(もしお金をもらって紛争性のある事項を扱えば弁護士法違反となります。)。当然裁判になったとき代理人になることもできません。
そのため、当初は税理士や司法書士が対応をしていても、相続人間で争いが生じてしまうと対応することができません。実際に、当初は税理士や司法書士が対応していたけれども相続人間で争いが生じてしまったためどうしようもなくなり弁護士に依頼するという事例が多くあります。そういった場合、裁判になった場合を見据えて話をしておらず、解決が極めて困難になってしまっていることがあります。
弁護士であれば、当初から裁判になった場合のことを見据えて、法律というルールに則って交渉をしますので、万が一話がまとまらず調停や裁判になってしまったとしても、交渉段階から矛盾のない一貫した対応が可能で、依頼者の方に有利に手続を進めることができます。例えば骨折をしたら、接骨院ではなく、整形外科などの医師に診てもらうことが当たり前だと思いますが、法律問題について弁護士に相談することはそれと同じことだといえます。
5 常にリスクを最小限にするよう行動します。
弁護士は常に紛争の現場を見ています。そのため、どういったところにどういったリスクが潜んでいるか、それを回避するためにはどうしたらよいか、という視点からアドバイスや交渉を行います。
例えば生前対策として作成したはずの遺言を巡るトラブルは非常に多いので、遺言書の一言一句にも気を使って遺言書を作成します。「長男Aに現金500万円を相続させる」といった単純な内容でも実はトラブルになる可能性が大きいことは実際に紛争の現場を見ている弁護士でなければわからないかもしれません。
そのため、後々の紛争のリスクが最小限になります。
6 弁護士は依頼者の方の味方です。
弁護士はあくまで依頼者の方の味方です。
法律というツールを使い、依頼者の方の正当な利益が最大化するよう尽力します。
また、最後まで依頼者の方に寄り添い、共に最初から最後まで責任をもって事件を解決していきます。不安や疑問を感じたとき、弁護士はいつでも依頼者の方の側にいる頼れるパートナーなのです。
弁護士へ依頼するデメリット
1 弁護士費用がかかります。
弁護士に依頼をすれば当然弁護士費用がかかり、それは決して安くはありません。多くの人にとっては人生で一回あるかないかの高い買い物かもしれません。
鴻陽法律事務所は、決して安くない弁護士費用を支払っても価値があると思っていただけるようなサービスを提供し続けるべく、日々研鑽に努めています。
2 紛争が激化する場合が稀にあります。
一方の相続人が弁護士に依頼をすることで、他方の相続人も弁護士に依頼をすると、弁護士は依頼者の利益の最大化を目指していくため、双方の主張が衝突し、紛争が激化する場合が稀にあります。中には辛辣な内容の書面を作成する弁護士もいます。
依頼者の利益のために最善を尽くすことは当然ですが、鴻陽法律事務所は依頼者の方にとって何が最善の解決なのかについても共に考えてまいります。
相続事件の弁護士費用とは?
相続事件の弁護士費用とは、相続事件において弁護士に依頼するときに必要となる費用のことです。
様々な費用がありますが、まとめると概ね次のとおりとなります。
項目 | 内容 | 支払時期 |
法律相談料 | 弁護士に相談する際の費用 | 相談時 |
着手金 | 弁護士に依頼するために支払う費用 | 依頼時 |
報酬金 | 案件終了時に支払う費用 | 事件解決時 |
手数料 | 遺言等の書類作成等の費用 | 依頼時 |
実費 | 収入印紙代、郵券代、交通費、コピー代、戸籍や残高証明書等の手数料 | 必要に応じて |
日当 | 遠方への出張や現地立会などの費用 | 必要に応じて |
相続事件の弁護士費用の相場はどれくらいですか?
相続事件の弁護士費用は事件の内容によって、また法律事務所によって異なります。
かつては弁護士会の報酬基準(旧報酬規程)によって費用が決まっていましたが旧報酬規程は平成16年に廃止され、現在は自由化されており、法律事務所ごとに費用が決められています。
例えば、遺産分割協議、遺留分請求、遺言作成、相続放棄、遺言執行等、様々な種類がありますので、内容に応じて費用も異なります。
また、遺産分割や遺留分については、協議、調停、審判、訴訟といった手続段階によっても費用は異なります。
そのため、費用については各法律事務所のホームページ等で確認していただいた方が良いと思います。
旧報酬規程
さきほど説明しましたように報酬は法律事務所ごとに決まっていますが、旧報酬規程によっている法律事務所も多いので、参考までに旧報酬規程の定めを紹介いたします。
事件内容 | 着手金 | 報酬金 |
訴訟の場合 | 経済的な利益の額が
300万円以下の場合→経済的利益の8% |
経済的な利益の額が 300万円以下の場合→経済的利益の16% 300万円超3000万円以下の場合→10%+18万円 3000万円超3億円以下の場合→6%+138万円 |
示談交渉・調停の場合 | 訴訟の場合に準じるが、費用を3分の2に減額することができる。 | |
遺産分割の場合 | 対象となる相続分の時価を経済的利益とする。ただし、分割の対象となる財産及び相続分について争いのない部分については経済的利益を相続分の時価の3分の1とできる。 |
弁護士費用は安いほうが良い?
費用の如何にかかわらず、「結果」が同じなのであれば、費用は安いほうが良いでしょう。
しかし、安い費用をうたっていても、「結果」に満足できなかったというご相談が多々あるのは事実です。一方で、高い費用を支払ったけど、「結果」に満足できなかった、というご相談があるのも事実です。
相続は相談者の方の人生や家族関係に大きな影響を及ぼします。実際に案件を担当する弁護士が相続に関してどの程度の専門性を有しているか、また、信頼できるかどうかは弁護士費用だけでは推し量れないと思います。
まずは、相談をしてみて、明朗会計であるかどうか、また、案件を担当する弁護士が信頼できそうかどうかを確認し、納得できる金額であるかどうかで判断することが最善かと思います。
当事務所が選ばれる理由
1 累計700件の相談実績、累計100件超の解決実績
当事務所では累計700件の相談をお受けし、100件超の問題を解決してきた実績があります。
数より質と思われるかもしれませんが、数多くの経験をし、試行錯誤を繰り返し、よりよいリーガルサービスを目指し努力することで質が向上すると考えます。相続問題において経験に勝る武器はありません。どうすれば紛争にならないか、審判や判決になればどうなるか、相続手続の実務はどうなっているか、どうすれば依頼者の利益を最大化できるか、そういったことは多くの経験をつまなければわからない部分です。
また、常時多くの相談を受けることで絶えず相続問題に関する実務や法令等の知識の研鑽を積む機会に恵まれています。
2 経験のある弁護士が最初から最後まで担当します
当事務所では個人事務所ならではの強みとして、経験のある弁護士が最初から最後まで責任をもって事件の担当をさせていただきます。
弁護士の人数が多い事務所では、場合によっては経験の浅い弁護士が実際の事件処理を担当することも多くあります。担当弁護士が頼りないからとのこでセカンドオピニオンを求められることも多々あります。やはり担当している弁護士にどの程度の経験があるかどうかが大切です。
3 安心の明解な弁護士費用
当事務所では、弁護士費用については事前にご説明をさせていただき、委任契約書にも明記させていただいております。また、費用についてはホームページでも記載させていただいております。
相続問題については、一人でも多くの方にご依頼いただけるよう、費用を一般的な事務所よりも比較的低額かつ分かり易いようシンプルに設定させていただいております。
費用についてはもしかすると、当事務所よりも安い費用の事務所があるかもしれません。しかしながら、当事務所では経験ある弁護士が最初から最後まで責任をもって事件解決にあたるために適切と考える費用設定にさせていただいております。
実際にも、多くの方にご納得いただき、ご依頼いただいております。
4 依頼者に寄り添います
事務所には、とことん戦う、とにかく費用が安い、いろいろなカラーがあるかと思います。とことん戦うことが唯一の解決策ではない、また、安ければよい、というわけでもないとお考えの方も見えるかと思います。
当事務所では、依頼者の方に寄り添い、どうすれば依頼者の方の希望を実現できるかともに考え、依頼者の方が求める最善の利益のために、ときには徹底的に争い、ときには早期解決をめざし、柔軟に進めてまいります。一方的に方針を押し付けたりはいたしません。ともに考え、ともに解決していきましょう。