遺言作成に関するQ&A

Q:遺言書を作成したいのですが、どのようなものがありますか。

A:遺言は大きくは普通方式と特別方式とにわけることができます。

通常の場合は普通方式であり、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の三種類があります。

 

Q:自筆証書遺言とは何ですか。また、どのような特徴がありますか。

A:本人が、遺言本文・日付・氏名を自筆で書いた書面に捺印したものです。

ワープロなどの印字された文字や代筆は認められず、必ず自筆で書くことが必要となりますので字が書けない人は作成できません。押印は実印である必要はなく、認め印でも構いません。

 

【長所】

最も簡単かつですし、費用もかかりません。

【短所】

自筆証書遺言は内容が不明確であるため無効になったり、偽造・変造されたり、相続人がその存在を知らないため発見されないまま終わってしまう可能性があります。自筆なので、筆記できない人は利用できません。家庭裁判所での検認手続も必要です。

 

Q:秘密証書遺言とは何ですか。また、どのような特徴がありますか。

A:秘密証書遺言は自筆証書遺言と公正証書遺言の方式を合わせたような方式です。秘密証書遺言の作成手順は次のとおりです。

①遺言者が証書に署名押印する

②遺言者が証書を封じ、証書に用いた印章で封印する

③遺言者が公証人1名及び証人2名以上の前に②の封書と提出して事故の遺言書であること、筆者の氏名、住所を申述する

④公証人が証書の提出された日付、③の遺言者の申述を封紙に記載して、遺言者及び証人とともに署名押印する

 

【長所】

秘密証書遺言は封印がされますので、偽造・変造の防止になります。また、遺言の内容は自筆である必要がなくワープロ等も可能ですので、筆記の負担が少ないです(署名は必要です)。遺言の内容は秘密にしつつ、遺言の存在自体は明らかにすることができます。

【短所】

遺言書の内容自体については公証人が確認していませんので、不明確な内容であるために無効となる恐れもあります。公証役場には遺言書を作成した事実は残りますが、遺言書そのものは遺言者において保管するので、紛失・隠匿・未発見の危険が残ります。遺言者自身の署名が必要なので筆記できない人は利用できません。家庭裁判所での検認手続も必要です。

 

 

Q:公正証書遺言とは何ですか。また、どのような特徴がありますか。

A:公正証書によって作成する遺言であり、公証人の前で遺言の内容を口授し、公証人がその内容をまとめて作成します。

公正証書遺言の作成手順は次のとおりです。

①証人2人の立会のもとで、遺言者が遺言の趣旨を口授する

②公証人が遺言者の口授を筆記し、遺言者と証人に読み聞かせ、または閲覧させる

③遺言者と証人が筆記が正確であることを承認した上で各自署名押印する

※遺言者が署名することができない場合には公証人がその事由を付記して署名に変えることができる

④公証人が適式な方式によって作成された旨を付記し署名押印する

 

【長所】

公証人が作成するので自筆証書遺言のような短所はありません。家庭裁判所での検認手続も不要です。

公正証書遺言は公証役場にその原本が保管されていることから、その存在が一番確実なものであり、家庭裁判所における検認手続も不要です。日本公証人連合会は全国の公正証書遺言をコンピューターに登録して管理しているので、法律上の利害関係ある人は公正証書遺言の有無や保管している公証役場の検索をしてもらうことができます。

【短所】

証人が立ち会うので遺言の内容が事前に漏れる可能性もなくはありません。また、作成にあたり公証人に手数料を支払う必要があります。

 

Q:自筆証書遺言には押印が必要と聞きましたが、実印でないとだめですか。

A:実印以外の印鑑でも大丈夫です。

押印は実印ではなく、認め印でも大丈夫です。また、拇印や指印でも有効です(最高裁平成元年2月16日判決)。

ただし、拇印や指印では遺言者の死後対照する印影がないと思われますので、対照できる実印や金融機関届出印によるほうが安心です。

 

Q:自筆証書遺言を見つけましたが、押印がありません。遺言は無効でしょうか。

A:原則無効です。

遺言は民法上厳格な方式が要求されており(民法968条)、法の定める方式をみたしていない場合は無効となります。そのため、押印がない遺言は無効となります。

もっとも、印鑑による押印でなくとも指印でも有効とするのが判例です(最高裁平成元年2月16日判決)。また、書簡形式の遺言で封筒の封じ目に押印がなされていたものについて有効とされた例もあります(最高裁平成6年6月24日)。

さらに、遺言としては無効でも、死因贈与契約として有効とした裁判例もあります(広島家裁昭和62年3月28日、東京高裁昭和60年6月26日ほか複数)。

 

Q:自筆の遺言書が見つかりましたが、数枚あり、契印がありません。遺言は無効でしょうか。

A:客観的に1通の遺言と認められるのであれば、契印がなくとも有効です。

遺言の内容面と外形面から客観的に見て1通の遺言といえるのであれば契印がなくとも有効です。

もっとも、将来の紛争予防の観点からは念のために契印、編綴をしておくことが無難です。

 

 

Q:病気の後遺症により筆記ができませんが遺言書をつくることはできますか。

A:公正証書遺言の方式なら可能です。

自筆証書遺言は自筆でなければならず、また秘密証書遺言も自署が必要ですので、これらの方式ではできません。しかし、公正証書遺言であれば自筆や自署は不要ですので遺言書を作ることが可能です。

 

Q:以前に作成した遺言書の内容を変更したい場合にはどうすればよいでしょうか。

A:遺言はいつでも自由に撤回することができます(民法1022条)。

例えば「第一遺言を撤回する」との新たな遺言をすれば撤回できます。また、第一遺言の内容と抵触する新たな遺言をすれば抵触する範囲において撤回したとみなされます。遺言を自身において破棄した場合も、破棄した部分について撤回したとみなされます。

 

Q:検認手続について教えてください。

A:検認手続は、遺言書の状況を検証する遺言執行前のいわば証拠保全手続です。遺言書の検証をするだけですので、遺言の内容の真偽等の効力まで判断するものではありません。自筆証書遺言及び秘密証書遺言については検認手続が必要です。公正証書遺言については検認手続は不要です。

 

検認の申立て

遺言書を保管する相続人は遅滞なく家庭裁判所に検認の申立てをする必要があります。四十九日日の法要が終わってから、あるいは3か月程度経過してから検認の申立てをすることが多いようです。

検認の実施

検認の申立てをすると、家庭裁判所から相続人へ期日の通知がなされます。検認期日では相続人立会のもと、遺言の状況(紙質、形状、筆記具の種類、文字の色、枚数、字体、印影の形等)について確認がなされます。相続人の遺言の保管状況や発見した経緯について確認されることもあります

確認が終わると検認調書が作成されます。立ち会わなかった相続人に対しては検認手続が終了した旨の通知がなされます。

 

Q:家で遺言を発見しましたが、封がしてあります。開封してよいでしょうか。

A:開封せず検認の申立てをしてください。

封印のある遺言書は家庭裁判所において相続人あるいはその代理人の立会のもとでなければ開封できません(民法1004条3項)。実務では検認期日に開封しています。

裁判所外にて開封すると5万円以下の過料に処せられる場合もあるので注意が必要です。

 

Q:亡くなった父が遺言書を作成していたようですが、どこにあるか分かりません。どうしたらよいでしょうか。

A:自筆証書遺言や秘密証書遺言については、本人の責任で遺言書を保管することになりますので、いざというとき相続人ではどこに遺言書があるのかわからないということがあります。

貸金庫、箪笥、本棚、書斎の引き出し、ベッドの下、仏壇の中といった場所から発見されることもあります。病院や施設に入院をされていたのであればそこの職員の方に聞いてみてもよいかもしれません。

公正証書遺言については、日本公証人連合会が全国の公正証書遺言をコンピューター登録して集中管理しています。法律上の利害関係があることを証明すれば、遺言書の有無や保管している公証役場を検索してもらうことができます。

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