【解決事例】母の死を新聞で知った相続人が遺留分など3,000万円を取得できた事例
事件概要
相談者:Kさん
被相続人:母
被相続人との関係:子
争点:遺産など一切わからない状況での遺留分の請求や交通事故損害賠償請求(他の共同相続人はほとんど交流のない姉が1名で、姉が母と同居)
背景
実母が交通事故で無くなったことを新聞で知ったKさんが、ほとんど交流のない姉と相続手続をどう進めてよいかわからず困ってしまったので相談にきました。
弁護士のかかわり
本件はKさんの側に遺産の資料が全くなく、母の死も知らせてもらえないという状況でしたので、弁護士が代理人として他の共同相続人である姉と交渉及び相続手続を進めることとなりました。
解決内容
まず、遺産については遺産に関する資料や遺言書がある場合は遺言書の開示を求めました。その結果、公正証書遺言があり、一切の財産を姉に相続させるとなっており、遺留分の請求をすることとなりました。
本件では遺言執行者に司法書士が指定されていたので、司法書士に対して財産目録や遺産の資料の開示、報告を求め、その結果、遺留分として約2000万円程度請求できることがわかり、ほぼこちらの考える金額を支払ってもらえました。
また、交通事故により亡くなっており、その損害賠償請求手続も行いました。
本件では母の過失が大きく、まずは自賠責の被害者請求を先行させました(任意保険会社との交渉では過失相殺を主張され、賠償額が大きく減額される可能性があり、自賠責へ被害者請求をしたほうが多くの賠償金が認められる可能性が高い事案でした。)。
遺言書で一切を相続させるとなっている場合に、交通事故の損害賠償金を誰が取得できるか問題がありましたが、Kさんが半分を取得する内容で合意ができ、遺留分以外に、約1000万円を取得できました。
所感
他の共同相続人と交流がなく、また、遺産の資料も他の共同相続人がもっている場合、どのように交渉や協議を進めていってよいかわからないことがあります。
遺産の資料としてどういったものが必要であり、どのように集めるかは知らない方も多いかと思います。また、交流のない相続人と話をすることが精神的負担である場合もあります。そういった場合には弁護士に交渉や手続等を依頼するメリットがあります。