【解決事例】500万円の使途不明金の95%を回収できた事例
相談者:Sさん
被相続人:父
・背景
父が亡くなり、公正証書遺言により預貯金はSさんに相続させるとされていました。しかし、通帳の履歴を見ると、父が亡くなる前及び亡くなった後に合計500万円がATMにて出金されていました。父は内縁の配偶者と同居しており、内縁の配偶者が出金した以外考えられない事例でした。
・弁護士の関わり
訴訟外にて協議を試みましたが、内縁の配偶者は一部については出金を認めるも、父の同意があったと主張し、それ以外については身に覚えがないと出金自体を否定しました。そこで協議は不可と判断し、訴訟提起しました。
・解決内容
訴訟では父の医療記録等から父が自ら出金することはあり得ず、また、父が出金について同意していたとも言えない状況であったことを主張立証しました。また、相手はATMを利用したこともないなどと不合理な主張をしていたのでその点も反論を加えました。
最終的にはATMの防犯カメラの映像を取得し、相手が出金していたことが明らかになりました。それが決め手となり、相手の主張が事実と異なっていたことが明らかになりました。その結果、出金以外の付随問題を含め、ほぼこちらの請求に近い金額(出金額の95%)及び内容にて和解をすることができました。
・所感
生前や死後に遺産である預貯金が出金されているケースは多くあります。そういった場合、誰が出金したのか、出金について被相続人や他の相続人の同意があったか、いかなる使途に使ったのかが争点となります。それらを裏付ける医療記録、介護記録、金融機関の各種資料等を丁寧に集め、分析する必要がありますが、時として膨大な量になるため、時間と労力が必要です。当事務所ではいわゆる使途不明金の問題について、訴訟を含め数多く解決してきましたので、安心してお任せいただけると思います。