【Q&A】不動産が共有になっているので共有物の分割をしたいのですが、共有者の一人が所在不明です。
共有者の一部が所在不明の場合、共有物の分割の協議を行うことができません。
この場合は、「所在等不明共有者の持分取得決定」の制度(民法262条の2)の利用が考えられます。
「所在等不明」とは戸籍や住民票等での追跡調査をつくしても不明である場合をいいます(協議の不明)。
この場合、他の共有者(申立共有者)の請求により、所在等不明共有者の持分を申立共有者へ取得させることができます。
裁判所が所在等不明者の持分取得決定をするには、申立共有者が裁判所が定める金額を供託する必要があります。供託金額については、固定資産税評価額、不動産鑑定書等をもとに裁判所が決定すると想定されています。
裁判所によって所在等不明共有者の持分取得決定がなされると、申立共有者は所在等不明者の持分を取得することになります。
一方で、所在等不明共有者は申立共有者に対して取得した持分の時価相当額の支払を請求することができます(民法262条の2台4項)。所在等不明者は申立共有者が供託した供託金の還付を受けることができ、供託金が時価総合額より少ないときは、その差額も請求することができます。