解決事例(相続放棄・限定承認)

1 被相続人にプラスの財産よりも多額の債務があった事例

 

相談者:Aさん(30代・男性)、Bさん、Cさん(30代・女性)

被相続人との関係:子

争点:相続放棄の手続

 

 

●背景

会社経営をしていたXさんが亡くなりました。Xさんには3人の子供がおり、そのうちのAさんが会社経営を引き継いで行く予定でした。Xさんにはプラスの財産も沢山ありましたが、会社の債務の連帯保証などで、債務がプラスの財産を上回っていました。Bさん、Cさんとしては会社を継ぐ訳でもなく、借金はしたくないということで相談に来られました。

 

●弁護士のかかわり

相続の場合、単純承認、限定承認、相続放棄の手続がありますので、まずはその説明をさせていただきました。また、相続人調査及び相続財産調査も並行して行いました。

 

●解決内容

本件で普通に相続をすると(単純承認)、遺産よりも多額の債務も相続することとなります。そこで債務を相続したくないBさん、Cさんは会社を継ぐこともなかったので、相続放棄の手続を選択することとしました。Aさんは会社を引き継いで経営をがんばって行く覚悟でしたし、会社経営が順調に行けば数年で債務が相続財産よりも少なくなる見込みでしたので、単純承認することにしました。

 

●所感

相続の放棄や限定承認といった手続は、相続開始を知ってから3か月以内にする必要があり、何もしないと単純承認したこととなります。どれだけ債務があるかわからない場合や、債務が多くあるけど相続したい場合もあります。そのような場合にどのような手続をとることがよりよい選択なのかは当事者には分かりにくい部分もあります。手続選択に悩んだら是非弁護士にご相談ください。

 

 

2 ずっと交流のなかった父の遺産相続について、相続放棄した事例

相談者:Bさん(30代・男性)

被相続人との関係:子

争点:相続放棄の手続

 

 

●背景

Bさんの父であるXさんが亡くなりましたが、BさんとXさんは何年も交流がなく、プラスの財産もマイナスの財産もあるかわからないため、相続放棄したいとのことで相談に見えました。

 

●弁護士のかかわり

BさんはXさんとまったく交流がなく、行政からXさんの死亡の連絡を受けました。そのため、時間と費用をかけて相続財産の調査をするより相続放棄したほうがよいとの結論になりました。なお、Bさんには障害のある妹のCさんがいました。相続放棄をすることでCさん一人が相続人となり、迷惑がかかるのではないかが懸念事項でしたが、Cさんについては行政が対応をしてくれるとのことで、相続放棄の手続をするこになりました。

 

●解決内容

裁判所へ相続放棄の申述受理の申立てをし、申立てから約2週間で無事受理されました。

 

●所感

相続の放棄や限定承認といった手続は、相続開始を知ってから3か月以内にする必要があり、何もしないと単純承認したこととなります。どれだけ債務があるかわからない場合や、債務が多くあるけど相続したい場合もあります。そのような場合にどのような手続をとることがよりよい選択なのかは当事者には分かりにくい部分もあります。手続選択に悩んだら是非弁護士にご相談ください。

 

3 相続開始から3年後の相続放棄が認められた事例

相談者:Cさん(40代・女性)

被相続人との関係:子

争点:相続放棄の手続

 

 

●背景

Cさんの母Xさんが亡くなりましたが、当時めぼしい財産もないということで相続人間で遺産分割協議や相続放棄の手続をすることなく時間が経過しましたが、およそ3年後に、Xさんには実は保証債務があることが発覚しました。

 

●弁護士のかかわり

CさんはXさんに保証債務があることは全く知らず、そのためXさんが亡くなった当時相続放棄の手続もしていませんでした。Cさんはずっと海外に住んでおりXの財産関係を全く知らなかったという事情がありましたので、相続開始を知って3か月が経過したあと(本件では3年が経過)ではありましたが、相続放棄の手続をすることにいたしました。

 

●解決内容

相続開始を知ってから3か月の期間が経過していても相続放棄の申述が受理される場合があることは、最高裁判所の判例を始め、いくつかの裁判例があります。そこでそれらの判例等に沿って、こちらの主張をまとめた書面を資料と共に申立書に添付し、裁判所へ相続放棄の申述受理の申立てをしました。その結果、申立てから約2週間で相続放棄の申述が無事受理されました。

 

●所感

相続の放棄や限定承認といった手続は、相続開始を知ってから3か月以内にする必要がありますが、事情によっては3か月が経過していても相続放棄が認められる場合があります。本件では相続開始を知って3年以上が経過していましたが、相続放棄が認められました。3か月を経過しているからといってあきらめることなく、まずは弁護士にご相談ください。

 

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