相続財産の使い込み

Q:相続財産が使い込まれているようです。どうしたらよいですか。

A:使い込みがあったかどうか明らかではない場合

まずは被相続人の預金通帳の履歴を取り寄せるなどして、不明朗な支出がないかを調べます。

それでもはっきりとしない場合には、遺産分割においては使い込みはないものとして扱うことになります。

 

どうしても納得がいかない場合は、遺産分割ではなく、不法行為に基づく損害賠償請求や不当利得返還請求の民事訴訟等で争っていくことになります。

 

損害賠償請求と不当利得返還請求はいずれも主張することができますが、損害賠償請求の場合には3年の短期消滅時効があります。もっとも、不法行為時から遅延損害金を請求できますし、悪性の高い使い込みといえる場合にはそのことを明白にするために、あえて損害賠償請求を選択する場合もあります。

 

A:使い込みが判明した場合

①相続開始前の場合

まず相続人に贈与の意思があったかどうかが問題となります。贈与の意思があったといえる場合には特別受益の問題が生じるからです。

特別受益といえる場合には原則として遺産への持ち戻しをすることになります。

特別受益といえない場合、被相続人が使い込みをした相続人に対して有する損害賠償請求権または不当利得返還請求を、相続人が相続することになるので、それを行使することになります。

 

②相続開始後の場合

相続人が無断での使い込みを認めた場合、遺産を先取りしたとの前提にて話し合いを進めます。

話し合いで解決できない場合、あるいは、相続人が無断での使い込みを認めない場合、不法行為に基づく損害賠償請求や不当利得返還請求の民事訴訟等で争っていくことになります。

 

Q:相続人の一人が遺産である預金を解約して現金にしてしまい、渡してくれません。どうしたらよいでしょうか。

A:損害賠償請求または不当利得返還請求をすることになります。

預金については最高裁平成28年12月19日決定によって遺産であるとされましたが、解約されると遺産である預金債権自体が消滅することになります。

そのため、現金として持っていても遺産分割を求めることができず、不法行為に基づく損害賠償請求や不当利得返還請求の民事訴訟等で支払を求めていくことになります。

 

Q:共同相続人の一人が預金を引き出して使い込んでいるようなので損害賠償請求をしたいのですが、認められるでしょうか。

A:まずは引き出し行為を共同相続人の一人が行ったと立証できるかが出発点となります。

1 被相続人が自分で引き出している場合には違法とはいえなくなります。そのため、まずは共同相続人の一人が引き出し行為をしたことを立証する必要があります。この点については払戻伝票の筆跡、金銭の移動状況、被相続人の健康状態、預金通帳の管理状況などの各種資料に基づいて立証することになります。

 

2 次に、共同相続人に引き出し権限があったか否かが問題となります。被相続人の同意があったり、もともと共同相続人に引き出す権限があっりした場合には違法とは言えません。この点は引き出しをした共同相続人において権限があったことを立証する必要があると考えます。

 

3 そして、引き出された資金の使途も問題になります。共同相続人が使途について不十分な説明しかできないとなると、権限の範囲を超えた違法な引き出しとされる可能性が高まります。また、使途が明らかになってもその金額が多額に上る場合には相当な額を除いた部分が違法な引き出しとされる可能性があります。引き出しが被相続人の死後である場合には基本的には違法とされるますが、葬儀費用に充てた場合や相続債務の弁済に充てた場合は違法となされません。

相続・遺言問題でお悩みの方はご相談ください。 052-462-8418

ご相談の流れはこちら

052-462-8418 法律相談のご予約 メール受付はこちら